台湾アイデンティティー

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台湾に行くといつも
暖かい、懐かしい、という気持ちになる。
親日家が多いのでも有名。

これら全て
どうしてなのだろう?とちょっとした疑問もあった。


この「台湾アイデンティティー」を台湾人の友人と一緒に観たあと
食事しながらいろいろ話した。
彼女のおばあさんがやはり日本語世代の人だったようで
友人はおばあさんから「日本の時代は良かった、日本人は良かった」と
ずっと聞かされていたのだそうだ。

そういう人が多いのだろうと思った。

時代は変わってきて、世代も交代してきたけれど
そうやって実体験は伝えられていくのだろうと。



「台湾アイデンティティー」。
じんわりと心に染みる映画だった。

前から気になっていたことが他にもある。

日清戦争後、台湾は日本に統治され、日本に同化させられた時代が50年も続き、
戦争にも巻き込まれて、「日本人」として出兵し、
亡くなった人や戦後大変な思いをした人も多い。
そして敗戦。
日本は台湾から手を引き、その後は戦後の自分たちの国の再建で大忙し。
台湾はというと、今度は中国国民党に支配され、過酷な時代が続いた。

考えてみたら、日本て酷くないか?と思ってしまうのだ。
戦争に負けたらさっさと台湾から身を引いてしまう。
一緒に戦争を戦ってきたというのに。


だけど映画の中のおじいちゃんおばあちゃん達は
ほぼ全員「いい時代だった」という人達ばかり。
むしろ、「日本軍人として戦争に行けたことを誇りに思っている」という人も多い。

涙が出てくる。
意味もなく、「ありがとう」と言いたくなる。

そして、悲しいことだけれど
戦争というものは、大勢の人間を同じものに向かわせ一致団結させる
マインドコントロールのようなものなんだな、と思う。

台湾に行くと良くあちこちの公園などでカラオケに講じる中年以降の人達をみかけるが、
中には戦争中の軍歌(もちろん日本の)を歌う人もいた。
私はなぜかそれを聞いた時に、せつなくなったことを思い出す。
「彼らの中では、日本時代の思い出は、戦争で終わってしまったのだな」。。

だけど映画の中の人達は
「運命だった」という。
その寛大さ、優しさ。
日本人にはない、おおらかさがある。




GWに行った台湾の蘭嶼島。
そこに住む原住民・タオ族の老人達もまたみんな穏やかな人達ばかりだった。
しかし、中には「日本の兵隊怖かった。殴られたりもした」という人もいたのだ。
だけど、「今は良くなったね」と言ってくれる。
なによりも、日本語をちゃんとしっかり覚えていてくれているのが
それだけでもうれしいことなのだ。

日本時代の次の国民党による弾圧が、よほど過酷な時代だったから、
よけいに日本の時代を懐かしく良いものに思うのかもしれない。




映画の上映後、監督の酒井さんと、主演されて横浜在住の呉さんが舞台挨拶され、
パンフレットにサインもしていただいた。

酒井さんは私と同年代で、彼女の記事などを読むと、共感することばかり。
特に、「初めて台湾に行った時に、流暢な日本語を話すおじいさんに出会った」ことが
映画(前作の「台湾人生)を作ることになったきっかけだった、ということ。

その時の、不思議な感動が、私にはわかる。
私も同じで、特に最近台湾に再度通い始め、あちこちで老人と話す機会も多い。
どうしてだろうか、そのたびに不思議な感動がこみ上げてくるのだ。
そして、監督と同じで、「もっと話をしたい、聞いておきたい」と思ってしまう。

おそらく、もう10~20年もすれば、
日本語世代の人はいなくなってしまうから。



また台湾に行かなければ
と思った。

そして、なぜかわからないけど
自分の国である日本を
もっと愛さなければいけないな、と思った。

そうしないと、
彼らに失礼だと感じたのかもしれない。


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酒井充子監督と。
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by naomi-bluegreeen | 2013-08-04 17:18 | movies